原爆跡地

2年前の夏休みを利用し長崎を一人旅した。
長崎は父親が高校のときに住んでいた土地ということもあり、事前に父親に長崎市内に関する話を聞いていたので見て回るものが多かった。
この土地でももちろん長崎の原爆跡地をめぐることになる。
ちょうど観光所において1時間半で回れる原爆跡地ルートマップというのがあったので、それに沿って行動した。最初は原爆投下地点が出発地点であった。
地形の問題により長崎は広島に比べると被爆エリアが狭い。そのせいか慰霊碑のある広場も広島の平和広場に比べると狭い。広場に行き慰霊碑に黙とうをする。
広島と同様、投下地点において空を見上げる。そしてその瞬間をまた思い描いてみる。やはり想像ができない。そしてなんと自分は幸せな時代に生まれた人間なのだろうと実感するのと同時に、今ある自分の幸せは多くの人の死から成り立っているものなのだということをこの時代に生きる私たちは忘れてはいけないことなんだと感じずにはいられないのである。
ルートマップを頼りに、原爆によって半分吹き飛ばされた鳥居や、原爆でも吹き飛ばされずに残った大木、長崎県立病院の跡地、そして資料館といったところを回った。
その土地で今でも記憶に残るもの。それは原爆の中で残った大木である。その木に触れたときは、思わず心の中でよく生き残ってくれたなぁという気持ちでいっぱいになった。